社内ルール増やすのって”悪いこと”?

社内ルール増やすのって”悪いこと”?

スムーズなコミュニケーションの心地よさ

いつもお仕事させてもらっている方々とチャットやミーティングでコミュニケーションする中で、「優秀な人と働くと、余計なコミュニケーション発生しなくて本当に幸せだなぁ」とあらためて本日感じました。

以前誰かが、「優秀なメンバーが揃っていることが1番の福利厚生」と言い切っていたことを思い出すために同意します。

優秀なメンバーは、細かい指示がなくてもささっと理解して手を動かす能力が備わっているし、逆に人に何かを伝える時や指示を与える時もわざわざこちらが確認する手間を最小限になるようにコミュニケーションできます。

なんと心地の良いことか。

独立してからは特に優秀な方々と日々働くことができることが何よりも自分の仕事の向上に寄与しているように思えます。

さて、本題ですが、優秀なメンバーが集まる組織(特にベンチャーはなおさら)、自由度が高いことを明文化しないまでも重要だと考えていることが多いように思えます。

つまり、前提として「皆それぞれが全体最適を考えつつ、個人のパフォーマンスを最大化できる能力があるのならば、ルールが個人のパフォーマンスを阻害するリスクを避けるべき」という認識ですね。

常にスピード感が最重要であるリーンな組織ならこう思うのはなんの不自然もないでしょう。

私個人の経験からもおおむね同意です。

ですが、ルールを増やすことは悪いことでしょうか?

新しいルールの導入は阻止すべきなのか

私がかつて働いていた組織で、組織が大きくなるにつれてコミュニケーションコストが多く感じることがあり、新しいコミュケーションルールを導入しようとした際に、マネージャーから反対意見をいただきました。

趣旨としては、「スピード感がなくなるから、ルールを増やしたくない」という意見です。

ごもっともかと思います。

ですが、私が感じている「コミュニケーションコストの多さは、ルールの少なさが原因である」とする意見も間違っているとも思えなかったのです。

さて、ここで私が言いたいことは、彼と私のどちらが間違っているかという話ではありません。

“ルールを増やさない”ことが目的になっちゃいませんか?ということです。

気持ちは十分理解できます。

ルールを増やすというのは怖いです。それだけでスピード感が損なわれる気がします。

金融業界のように、ささいな事象が会社の存続に対し絶大な事業リスクを孕む業界は当然にスピード感よりもリスク回避に多大なリソースをかけます。

一方で、ベンチャー企業を含む中小企業は細かなリスクより日々競争を勝ち抜かなければいけません。

だからこそ、スピードこそが競争を勝ち抜く1番重要なことであることは身に沁みて理解しているはずです。

だから、何よりも大事なスピードを毀損することが1番のリスクといえます。

シンプルにする!

細かいルールを作らない!

という意識がまるで組織運営の大前提となります。

それでも、人が運営しているわけですし、人は増えたり入れ替わったりします。

コミュニケーションコストならびに運営上のリスクは増え続けることはあっても、放っておいて減るものではないことはたしかです。

そして、ルールがない状態だと、当然各人の主観や価値観に委ねることになりますが、日々忙しい訳なのでどんどん全体最適がなんなのかわからなくなります。

それでもまだ「ルールを増やすことが悪」なのでしょうか?

ケースにはよりますが、ルールを決めて、各人の価値観に委ねた結果なんらかのコストが増えるならルールを導入して脳内コストを減らすべきでしょう。

ちなみに、ルールを増やすことだけを提唱しているのではなく、ルールを減らすための提案もちろん大事です。ルールを減らすために定期的に月1で会議体などを主催したこともあります。

ルールを増やすことは悪!という考えは、ベンチャーにありがちですが、それって目的なの?手段なの?という問い掛けが必要だという話でした。

少なくとも、「大企業みたいにルールだらけの会社にしないぜ!」みたいな反骨精神みたいなところだけ強調することは本末転倒でナンセンスです。

社内ルールの話に限らず、”それが実際なぜ行われているのか”という背景への想像が足りてません。

抽象的な話ですが以上です

野口 和弘

野口 和弘

Stevens Company株式会社 代表取締役

慶應義塾大学商学部卒。
医療・福祉系のベンチャー企業に入社。新卒入社と同時にDX・デジタルマーケティングを管轄する新部署の立ち上げを任される。 デジタルマーケティングのゼロからの構築と社内オペレーション全体のDX/業務改善、監査対応などに従事。
その後、シンガポールの越境ECコンサルティング会社に日本人2人目のフルタイムメンバーとして転身。プロジェクトマネージャーとして国内アパレルメーカーの海外進出を支援後退社し、当社を設立。
当社設立後は、マーケティングコンサルティング、プロジェクトマネジメント、新規事業立ち上げ支援などをメインに活動。
得意業種は、IT・医療・教育・美容業界。